1 シーズン
11 エピソード
名もなき毒 - Season 1 Episode 1 第1話 「28年の闇ー姉妹の秘密と父の死の謎」
初夏。5月になったばかりの汗ばむほど晴れた日。梶田信夫(平田満)は自転車に撥ねられ即死した。自転車に乗った犯人はそのまま逃走した。今多コンツェルンの広報室に勤める杉村三郎(小泉孝太郎)は、義父である会長の今多嘉親(平幹二朗)から本社ビルにある会長室に呼び出され、嘉親の個人運転手を勤めていた梶田信夫の通夜と告別式への列席を依頼される。葬儀場の受付で嘉親から預かった香典袋を出すと、信夫の長女・聡美(深田恭子)と次女の梨子(南沢奈緒)があいさつにやってくる。「何か力になれることがあれば、頼って欲しい」という嘉親からの言葉を2人に伝える杉村。実は杉村にとっても、亡くなった梶田は恩人のような存在だった。8年前。偶然知り合った今多菜穂子(国仲涼子)と平凡で質素なデートを繰り返し、杉村はプロポーズをするまでに至ったが、無邪気に頷いた菜穂子の父が、実は莫大な総売り上げを誇る今多コンツェルングループの会長だと知ったのは、その後だった。身内からも反対されたこの結婚だったが、菜穂子の父・嘉親に結婚の許しを得た時、杉村に「おめでとうございます」と声をかけてくれたのが梶田信夫だったのだ。その純粋な「おめでとうございます」という言葉に今でも感謝している杉村は、娘たちに恩を返すかのように調査に乗り出そうとするが、妹の梨子とは対照的に、姉の聡美は調査に気乗りしない様子だ。杉村と2人きりになった聡美は、自分の身に起こった忌まわしい過去について語り出す。こうして、杉村は、次第に梶田信夫の事故にまつわる「毒」に引き込まれていくのだった…。