1 シーズン
1 エピソード
秘太刀 馬の骨
東北のとある小藩。浅沼半十郎は、家老で派閥の領袖小出帯刀の引きで近習頭取に出世したが、長男の病死以来、気鬱の病にとらわれた妻杉江が悩みの種である。 そんなある日、半十郎は帯刀に呼び出される。そして、帯刀の甥石橋銀次郎と共に、6年前の望月家老暗殺に関わったと思われる秘太刀「馬の骨」の伝承者を探し出すように、と命ぜられる。 「馬の骨」は、不伝流矢野道場の先々代が編み出したものであったが、現道場主矢野藤蔵と立ち会った銀次郎は、藤蔵は秘太刀を伝授されていないと考える。先代時代の高弟5人のいずれかが伝授されたと考え、立会いの中でそれを見つけようとするが、矢野道場は他流試合を禁じていた。銀次郎は、高弟たちの弱みを見つけ、口止めを条件に試合を申し込もうと図る。時に大怪我を負いながらも、銀次郎は偏執的に高弟たちと試合を重ね、帯刀もそんな甥を止めようとしなかった。そこで、だんだんと半十郎は帯刀の「馬の骨」探索の意図に疑念を抱くようになる。 結局、5人の高弟の誰も「馬の骨」を伝授されていないと判断した銀次郎は、帯刀の妾を連れて江戸に戻ろうとするが、帯刀が放った討手に斬られて重傷を負い、半十郎の家に逃げ込む。半十郎が、銀次郎と闘った高弟の1人北爪平九郎の屋敷に銀次郎を移動させると、銀次郎は帯刀が先代藩主をだまして望月家老を暗殺させたようだと語る。それを現藩主に気付かれると、藩主を亡き者にしようと画策して失敗し、今度は自分が暗殺されるのを恐れて、暗殺剣「馬の骨」を探し出そうとしたのだろうと言う。