クローンは故郷をめざす
クローン技術が発達した近未来の日本。不慮の事故で殉職した宇宙飛行士・高原耕平は合法的にクローンとして蘇る。 しかし記憶のコピーに失敗したために記憶障害を起こし、幼い頃に自分のせいで双子の弟・昇を死なせてしまった記憶ばかりが頭から離れなくなる。 クローン再生の失敗を隠蔽したい影山所長らはひそかにクローンの耕平に安楽死の薬を投与する。病院を抜け出したクローンの耕平は、宇宙服を着た自分の死体(の幻)を見つける。 そしてそれを死んだ昇と思い込み、母親・洋子のもとに届けようと故郷をめざすが、投与された薬によって息絶える。