白銀ジャック
新月高原スキー場でリフトやゴンドラなどの運営を行っている倉田玲司は、結婚するチャンスもないまま40代になり、スキー場を訪れる客の、スキーを楽しむ顔を見るのが最高の楽しみという日々を送っている。そんなある日、スキー場へ脅迫状が届いた。「ゲレンデの下に爆弾を埋めた」という内容のものであった。警察に通報できない状況の中で、犯人は悠々と身代金を奪取してゆく。ゲレンデを乗っ取った犯人の動機はいったいなんなのか。ゲレンデのどこに爆弾が埋まっているのか。パトロール隊員の根津昇平は、犯人の尻尾を掴もうと、仕舞いこんでいたスノーボードを手にした。1年前の禁断のゲレンデが鍵をにぎっている。