まぼろしの邪馬台国
二人の旅が、やがて日本中に 旋風を巻き起こす。
昭和31年、博多。ある日、全盲でありながら島原鉄道の社長であり郷土研究家でもある宮﨑康平が行方不明になり、無事発見されるが、「わが郷土、島原は遺跡の上に出来た町」と、神がかりなことを言い出す。復旧作業が始まると、次々と土器が発掘される。しかし、康平の解任によって雲仙観光バスは廃止。バスガールの長浜和子も島原を去ることになるが、駅で和子を待っていたのは康平だった。こうして、康平の妻として、和子の新しい生活が始まった。それは目の見えない康平の代わりに和子が魏志倭人伝などを読んで聞かせ、康平がそれを読み解き、“まぼろしの邪馬台国”の場所を探すという共同作業だった・・・。