『赤と黒』-原作 スタンダール-
19世紀中期のフランスの文豪スタンダールの長編小説「赤と黒」を原作に、主人公ジュリアン・ソレルの恋と野望をドラマティックに舞台化した作品。この作品は1975年、宝塚大劇場月組(主演・大滝子)で上演し好評を博した『恋こそ我がいのち』(東京公演では『赤と黒』)を、1989年、宝塚バウホール公演(主演・涼風真世)のために改編を加えましたが、今回星組公演として更に新しく手を入れたものです。 ナポレオンが没し、再び王政復古となった1830年、フランスの小都市ヴェリエールに材木商の息子として生まれたジュリアン・ソレルは、立身出世をし、富と名声を手に入れることを生涯の目的としていた。ナポレオンを崇拝していたが、一介の小市民が軍人になることは難しく、聖職者となって栄達を図ろうと目論んでいた。ジュリアンは司祭シェランのもとでラテン語を学び、神学生になる準備を始める。 そんなジュリアンに目を付けたのが町長のレナール氏であった。助役のヴァルノと競い合っていたレナール氏は、息子達にラテン語を学ばせヴァルノに差をつけようと、ジュリアンを家庭教師として迎え入れる。町長には信心深い貞淑な妻がいた。ジュリアンはレナール夫人を征服する事が上流社会を征服することだと思い、誘惑しようとする。レナール夫人はジュリアンに胸のときめきを覚え、愛なく結婚した自分が初めて恋をしたことを悟るのであった。ジュリアンもまた、出世の手段として利用したつもりが、次第に心奪われていく。 一方、ジュリアンに想いを寄せた女中のエリザは、二人の関係に気づき、嫉妬のあまりヴァルノに密告し、レナール氏の知るところとなる。ジュリアンはシェラン司祭にブザンソンの神学校に入ることを命じられる。校長ピラールはジュリアンに一目置くようになり、パリの大貴族ラモール侯爵に彼を紹介する。 侯爵家にはパリ一番の令嬢と謳われたマチルドがいた。取り巻きの貴公子達にうんざりしていたマチルドは、ジュリアンを誘惑してみる気になる。二人は駆け引きを繰り返すうちに、いつしかお互いに惹かれていく。しかし、それがやがてジュリアンに思いがけない悲劇をもたらすことになる・・・・・・。
- 年: 2008
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- ディレクター: 中村暁
- キャスト: 安蘭けい, Toono Asuka