富士山頂
富士山頂にレーダーを取り付ければ日本列島の南方800km先の台風が察知出来る。しかし、こんな標高のある過酷な環境にレーダーを設置することなど前例などない。気象庁測器課長の葛木(芦田伸介)は台風の被害を少しでも減らすべく、富士山レーダー設置に情熱を燃やしていた。大蔵省へ歩を運ぶこと3年、葛木の夢は実を結ぶこととなった。三菱電機技術部員、梅原(石原裕次郎)、大成建設の伊石(山崎努)とともに2年(実質的には1年に40日)、建設予算2億4千万円の工事が始まる。極寒・高山病と作業は難航した。親方・朝吉(勝新太郎)は、資材を運ぶための馬を売ってブルドーザーを揃え頂上まで登る。山頂は乱気流が発生しやすく、気象条件が難しい中、ヘリコプター操縦する加田(渡哲也)は、直径9m、総重量600kgのドームを吊り上げ輸送する。大自然と闘って据えつけられた気象用レーダーは今も活躍している。